俳優のバイブル

【役者必見!】買取りの広告は絶対にやらないこと|俳優としてのリスクヘッジを解説

こんにちは、俳優マネージャーの佐藤です。

俳優として活動していると、事務所所属の方にもフリーの方にも、毎日のように広告の案件が募集としてやってきます。その中で、こんなふうに迷ったことはありませんか?

✅ 出演できるなら、広告には何個でも出ておきたい
✅ 無期限の「買取り」の広告に出てしまったけれど、これでよかったのかな…?
✅ 買取りの広告は単価がいいから、やっておいたほうがいいのかな…?
✅ これに出ると、他の広告に出られなくなる心配はないのかな…?

もしどれか1つでも当てはまったなら、この記事は最後まで読んでください。結論から言います。本気で俳優として第一線で活躍したいのであれば、買取りの広告には、絶対に出るべきではありません。条件がよく見えても、目先のギャラと引き換えに、その先の俳優人生に長い足かせをはめてしまうからです。

この記事を読むことで、「買取り広告は絶対にNG」な理由、「買取り広告のメリットとデメリット」、「すでに買取りの広告に出てしまった場合の対処」が分かります。それでは行きましょう!

そもそも「買取りの広告」とは何か|権利を無期限で買い取られる契約

買取りの広告とは、俳優が出演した広告の「使用する権利」を、企業側が丸ごと買い取ってしまう契約のことです。普通の広告契約は、1クールや1年といった使用期間が決められていて、その期間が終われば契約は一度終了します。ところが買取りの場合は、権利を買い取られているため無期限。一度撮ったら、企業がやめると言わない限り、その広告は使われ続けます。

しかも、買取りの広告には契約書そのものが存在しないケースも多くあります。普通の広告なら、掲載期間・掲載媒体・競合の有無・違約金が契約書に書かれています。買取りはそこが曖昧なまま「とりあえず出てください」と進んでしまい、俳優本人が自分の出演条件を把握できていない、ということが起こりがちです。だからこそ、出る前に立ち止まることが大切になります。

買取りの広告に出てはいけない3つの理由

本気で俳優として活躍したい人が、買取りの広告に出てはいけない理由は、大きく3つあります。

理由1|競合企業の広告に出られなくなる
広告に出るということは、その企業の「顔」になるということです。たとえばマクドナルドの広告に出ていながら、同じ時期にモスバーガーの広告にも出ていたら、見ている人は「この人はどっちをすすめているの?」と混乱します。企業にとってはマイナスのプロモーションになるため、どの芸能事務所も契約期間を定めて「その期間は競合の広告に出ない」という契約を交わします
理由2|無期限で、永遠に消えない
普通の広告なら契約期間が終われば縛りも消えますが、買取りは無期限。よその競合企業の広告に無期限で出続けている俳優を、自社の広告にキャスティングしたいクライアントはいません。1本のつもりが、そのジャンルの広告の仕事を、その先ずっと失う可能性があります
理由3|一度きりのギャラしかもらえない
普通の広告は契約延長のたびに金額が提示され、再びギャラが支払われます(実質の不労所得に近い形)。ところが買取りは、最初の一度きりのギャラで無期限に使われ、それ以降の支払いはありません。単価がよく見えても、長い目で見れば安く買い叩かれているのです

目先の1本と引き換えに、未来の何本かを失う。これが、買取りの広告のいちばん怖いところです。

買取りの広告にも「メリットになる人」はいる

ここまで読むと「絶対ダメなのか」と思うかもしれませんが、買取りの広告がメリットになる人もいます。それは、本気で俳優として第一線を目指している人ではない場合です。主婦の方やサラリーマンの方が、副業やアルバイト感覚でやるのであれば、話は変わってきます。

メリット1|会社が希望すれば、長くその会社の顔になれる
ホームページ用やパンフレット用にいい素材ができれば、半永久的に顔が掲載され続けます。ご近所や友人の間で話題になり、イメージや印象には残りやすい起用です
メリット2|費用が抑えられる分、起用されやすい
起用する側は低コストで進めたい会社が多く、案件の数自体が多い。俳優側が条件に妥協できれば出演のチャンスは多く、低コストを理解しているクライアントは競合への出演をOKしている場合もあります。ただし、大手のクライアントになるほど金額は上がり、競合への出演はしっかりチェックされます

つまり、同じ案件でも「副業として割り切る」のか「俳優のキャリアとして考える」のかで、買取りの広告の意味は正反対になる、ということです。

すでに買取りの広告に出てしまった場合は…

副業やアルバイト感覚で出ているなら、特に気にする必要はありません。問題になるのは、本腰を入れて俳優活動をしている方や、これから実力のある事務所と契約することになった場合です。基本的に買取りは俳優側に不利な契約が多いので、やるべきことは2つあります。

対処1|契約書を確認する
広告に出る場合は本来、必ず契約書が存在します。書かれているのは主に、広告の掲載期間(1クールや1年)/掲載媒体(TVCM、WEBのみなど)/競合の有無(競合NGや注意事項)/違約金(不祥事や責任の所在)の4つ。タレント本人が契約するのか、所属事務所がクライアントと契約するのかも案件によりさまざまです。買取りは契約書が無い場合が多いので、改めて確認・問い合わせることをおすすめします
対処2|消してもらう交渉ができるか確認する
契約書が無い場合は、掲載期間の提案や事情の説明も含めて話し合いの場を設けましょう。契約書がある場合は、事前に内容を確認したうえで事情を説明してください。ただし、企業側もカメラマン・ヘアメイク・衣装などコストと時間をかけて広告を作っているため、違約金を請求される場合もあります。実際に、自分のこの先のキャリアを考えたうえで違約金を支払って消してもらった俳優もいました

それほど、本気でキャリアを考える俳優にとっては、買取りの広告が残り続けることが重いリスクになる、ということです。だからこそ、出る前に立ち止まることが、いちばんのリスクヘッジになります。

☆広告は一番決まりやすい案件だけに注意が必要

広告案件は、映画やドラマ、舞台に比べて募集の母数が多いだけに、買取りの案件も多くまぎれ込んでいます。さらに、芸能事務所や「買取りはNG」と知識のある俳優は、こうした案件を敬遠します。条件がよくないからこそ、応募が少なく、エントリーの段階で決まる可能性が高いのです。3万円から5万円くらいのレンジで募集がかかっていることが多いので、すんなり決まったときほど一度立ち止まってください。募集要項をしっかり見て、買取りなのか、競合の扱いはどうなっているのか、記載が無ければエントリーの時点で問い合わせることが大切です。

◎ベースは「俳優としての価値」を高めること

俳優は、あなた自身が資本です。そして、あなたの価値は、まずあなた自身が決めることが重要です。安く買い叩かれる前に、自分の価値を自分で引き上げておく。そのために、まずは俳優としての実績を積んでください。

上質なクライアントは、広告の条件やこの仕事の常識を兼ね備えているので、実績のある俳優に買取りのような提案はしてきません。あなたが活躍するための実績を作れば作るほど、価値は上がり、広告出演のギャラも跳ね上がっていきます。広告で食べていく「広告俳優」になるのではなく、まずは映画・ドラマで活躍し、そのご褒美としてギャラのいい広告の出演を狙っていく。この順番を間違えないでください。

今日のまとめ|知らないだけで、俳優としての価値は下がる

買取りの広告に出てはいけない理由は①競合企業の広告に出られなくなる ②無期限で永遠に消えない ③一度きりのギャラしかもらえないの3つ。すでに出てしまった場合は①契約書を確認する ②消してもらう交渉ができるか確認する。そして何より、ベースは俳優としての価値を高めることです。基本的に、ドラマや映画よりも広告のほうがギャラは高い傾向にあります。撮影時間や日程など条件がよく見えるからこそ、出演すると生活は潤いますが、今後の俳優人生の足かせにならないよう注意が必要です。

動画版では、買取りかどうかの見抜き方、エントリー時の問い合わせの仕方、契約書で確認すべきポイントまで、佐藤と市川の対談形式で具体的に解説しています。今まさに広告案件の募集を前に迷っている方は、ぜひ動画も合わせてチェックしてください。

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